5章
この章では恐るべき出来事が描かれている。アナニアとサッピラが行ったこととバルナバが行ったこととの間には明確な違いがある。アナニアとサッピラが犯した罪とは、聖霊に対して不正直なことを行った罪である。その罪に対して取られた処置は迅速、かつ、恐るべきものであった。この処置によって人々の間には神への畏敬の念が生じ、それがために人々は、この新しく生まれた教会の交わりに安易に入って来ようとはしなくなった。こういった恐るべき出来事があったにもかかわらず、神の働きはさらに前進して行き、さらに多くの男女が主の交わりに加えられていった。
教会とそれに反対する勢力とはいまや互いに真正面から対峙することとなった。キリストの敵である勢力は遂に怒り燃え上がって騒ぎ立ち、行動を起こした。使徒たちを捕らえて牢に入れたのである。しかし、使徒たちは主の御使いの導きによって超自然的な方法で牢から解放された。そして、使徒たちはサンヘドリンの議員たちの前に現れた。一方の側は、サンヘドリンという、当時のユダヤでは最も高貴で威厳の備わった権威ある人々。そしてもう一方の側は、普通に考えるならば、人間的に見て、全く取るに足らない一握りの人々(cf. Ⅰコリント1:27-29)。教会を代表してペテロはサンヘドリンの前で証しした。サドカイ人たちは、このペテロの証しに対して激昂した。ガマリエルはパリサイ人だったので、サドカイ人たちの合理主義よりも使徒たちの教えの方により親近感を持った。そこでガマリエルは、使徒たちを放って置くようにとサンヘドリンを説得した。サンヘドリンはガマリエルの説得を受け容れたが、使徒たちを鞭打ち、イエスの教えをこれ以上語るなと脅した上で釈放した。使徒たちは、イエスの名によって辱められるに値する者となったことを喜びながら議会から出て行った。キリストと自分たちとの絆が強くなったことを確認することが出来たからである。
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